Paul McCartney-LIVE ARCHIVES VOL.2 【2CD】 [mccd-609/610]

Paul McCartney-LIVE ARCHIVES VOL.2 【2CD】 [mccd-609/610]

販売価格: 4,500円(税込)

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商品詳細

ポールマッカートニーの70年代はほぼ彼の30代に重なる。才能と意欲が熱く燃えたぎる30代をウイングスというバンドを率いて実り多き70年代を疾走した。そしてそれは80年代以降も続くものと思われていた。しかし80年代の初年度にポールにとって大きな事件が2つ生じた。まず1980年1月、コンサートのために訪れた日本において大麻所持で逮捕されてしまう。ポールは拘留され、いつ終わるかもしれぬ取り調べが続く中、痺れを切らしたバンド・メンバーが帰国してしまう。特に忠実な“フライデー”であったデニー・レインまでも帰国したことで、ウイングスは瓦解してしまう。ポールはバンドを失い、それによりツアーに出る事が不可能となった。そして同年末、ジョンレノンが狂気を帯びた人物に殺害されてしまう。岡田有希子が自殺した時に後追いする若者が続出し、国会でも議題に挙がったように、いつの時代も、どのようなケースにおいても、感化され模倣しようとする人がいるものである。ポールはこの時、次は自分の番ではないか、ステージに立つと客席から撃たれるのではないかと本気で恐れていたようである。結果として、80年代はツアーは一切行なわず、ことライヴ活動という点においては沈黙の時を過ごす事になる。一方で、ツアーにこそ出なかったものの、単発でのライヴ出演はそれなりに数をこなしている。本作は、そんなポールの単発ライヴ出演にスポットを当て、多くのコレクターズ・アイテムには収録されないような、細かいライヴ演奏を年代順に収録したシリーズである。第2弾となる本作は1990年から1997年までの単発ライヴ、テレビ出演、ラジオ出演などを収録している。

【ROCKLINE RADIO SHOW October 26, 1990】
ラジオ番組に出演した時に、アコギのみで演奏したものである。アコギのみながらグルーヴ感溢れるもので、間奏に入る前に「ダンスだ、ダンス!」と合いの手を入れ、口笛で間奏メロディを奏でている。ギター一本でもここまで濃密な演奏が出来るのはポールならではであろう。

【COUNT DOWN, NETHERLANDS; BEAT UK, JAPAN & FANTASTICO, BRAZIL December 13, 1990】
当時ニューアルバムとツアーのプロモーションで数多くの番組に出演しているが、さすがに身体がひとつしかないため、この時の演奏は事前に収録したものを各国で使いまわしで放送された。ちょうどビートルズ時代のエドサリバンショウのような感じである。「All My Trials」はついぞツアーで演奏されることはなかったが、サウンドチェックでの演奏がシングルとしてリリースされている。基本的に一発録りなので、ライブ演奏でもほぼ同じような感じになっている。「The Long And Winding Road」は前奏なしで始まる。アルバム『LET IT BE』に収録の同曲はフィルスペクターが重厚なオーケストラを被せた点を強く非難していたポールであったが、この時のツアーでは女性コーラスこそ入っていないものの、同じようなオーケストラをウィックスのキーボードが奏でるアレンジとなっているのが不思議なところである。「Let It Be」はツアーにおいてはギターソロがほぼ完コピだったのに対し、ここでのソロはかなり異なったものとなっているのが注目である。

【ROCK O POP, SPAIN December 13, 1990】
スペインの番組なので当然司会もスペイン語なのだが、それに対しポールがデタラメのスペイン語で返しているイントロダクションが面白い。「All My Trials」はシングル発売された新曲ということでここでも演奏されている。新曲を披露する「抱き合わせ」のような感じで「Let It Be」が歌われている。比較的ゆったりとした演奏でポールは非常に丁寧に歌詞を紡いでいる。

【WOGAN, UK December 14, 1990】
ここでも「All My Trials」の演奏である。これだけ数多くプロモーションしたにも関わらず、おそらくシングルを購入した人の多くはカップリング曲を目当てに買い求めたに違いない。

【A CARLTON NEW YEAR, UK November 20, 1992】
アルバム『OFF THE GROUND』は1993年2月にリリースされている。この番組はそれに先立ち新曲を披露するプロモーションでの出演であった。先行シングル「明日への誓い」は日本のテレビでもテーマ曲として使われていたので日本のファンに馴染みの深いものであろう。1993年のツアーではレギュラー曲としてステージで演奏されていたのみだが、突如2013年に南米のコンサートで演奏されたのには驚かされた。「Michelle」も1993年ツアーでセットリストに入っていた曲である。現在の視点ではありがたみが薄いかもしれないが、1993年ツアーで初めて採り上げた「古い新曲」である。そして最後は「Biker Like An Icon」はアルバム『OFF THE GROUND』におけるノリの良い曲で、フォトグラファーであったリンダが「I like a Leica, I like a Nikon(ライカのカメラ、ニコンのカメラが好きだわ)」という何気ない発言から着想を受けたという、その貴重なスタジオ・ライブである。

【TOP OF THE POPS, UK January 7, 1993】
アルバム『OFF THE GROUND』はほぼライブ方式でレコーディングされており、ダビングは最小限に抑えられている。これはそれによる効果を狙ったため、そして次のツアーを念頭においてのものであったと思われる。ここで演奏される「Hope Of Deliverance」もライブ演奏であり、歌いまわしやコーラスのバランスなどに差異が見られるが、スタジオ・レコーディングと大差ない安定した演奏といえる。

【WETTEN DAS..?, GERMANY January 23, 1993】
ドイツの「WETTEN DAS」という番組はマイミングでの演奏が多いことで悪名高き(?)番組である。ここに収録の「Hope Of Deliverance」は生演奏のように聞こえるが、先述のようにスタジオ・レコーディング自体がライブ・レコーディングだったため、判断に迷うものである。

【SIMON BATES RADIO SHOW, UK February 1,1993】
ラジオ番組出演時の演奏で「Biker Like an Icon」を演奏している。かなり荒い音質でボーカルに比重を置いたバランスとなっている。おそらくオケがあってポールがカラオケで歌っているのではと思われる。

【SATURDAY NIGHT LIVE, USA February 13, 1993】
このサタデーナイト・ライブはマテリアルとしては有名なもので、リアルタイムでも数多くのタイトルが出ていたと記憶している。最初の3曲は番組収録前のリハーサル音源、そして後半の3曲が本放送での演奏である。「Get Out Of My Way」はスタジオ・バージョンよりもテンポを落とし、ブルースとジャズを混ぜ合わせたような演奏である。「Biker Like an Icon」は本番さながらの熱い演奏で韻を踏むサビの部分が聴いていて心地良い。「Hey Jude」はテレビ番組用の短縮バージョンとなっており、ナナナのリフレイン部分ではライブのように演奏を止めて観客に歌わせる演出はなく、そのままエンディングに向かう。

【TOP OF THE POPS, UK February 18, 1993】
アルバム『OFF THE GROUND』のハイライトは何といっても「C’mon People」であろう。雄大さと美しいメロディを兼ね備えたポール一世一代の名曲である。これは同曲を初めてライブ演奏した記念すべきものである。エコーを排したポールの生歌が素晴らしい。歌いまわしもライブっぽく敢えて異なるものにしているように思える。

DISC TWO
【BUDDY HOLLY WEEK, UK September 7, 1995】
1995年のバディホリー・ウィークは「Rave On」1曲のみの演奏である。ここではオーディエンス録音で収録されている。正式にレコーディングしたことはないが、バディホリーウィークでは何度もこの曲を演奏しているので、ポールのお気に入りなのだろう。

【RETURN OF THE FORGOTTEN, ROYAL ALBERT HALL, UK October 16, 1995】
アメリカの詩人アレンギンズバーグは1997年に死去した。これは彼の最晩年の死の朗読の様子である。肝臓癌でこの時点で68歳であったが、死の2年前とは思えぬ張りのある声である。ポールとの交流のきっかけはわらからないが、1991年シークレット・ギグでも共演しているので、比較的長い付き合いになる。この詩の朗読のバックでポールはギターを弾いている。

【ROYAL PERFORMANCE March 23, 1995】
ポールとエルヴィス・コステロは『FLOWERS IN THE DIRT』と『SPIKE』というお互いのアルバムで共作をしているが、ステージで共演したのはこの時が唯一となる(同じステージで別々に演奏したことは何度か例がある)。しかもこの時期には珍しい「One After 909」で始まるのは、オリジナルがジョンとポールのツイン・ボーカルだったことに由来する。敢えてこの曲を選択する所にポールのコステロに対する信頼が伺える。そして貴重なのは2曲目の「Mistress And Maid」である。アルバム『OFF THE GROUND』に収録された前作のアウトテイクであり、コステロとの共作曲のひとつ。そしてライヴで演奏されたのは後にも先にもこの時のみという超貴重なテイクである。そしてこの日は弦楽奏団がバックにおり、それを活かすために「For No One」「Eleanor Rigby」「Yesterday」という楽曲が選ばれている。特に「Eleanor Rigby」にはオリジナルにはない、ちょうど『ブロード・ストリート』のバージョンを彷彿させる弦楽の間奏が加えられている。そしてラストの「Lady Madonna」も珍しい弦楽が加わったアレンジとなっている。曲目だけ見ると「Mistress And Maid」以外は多くのステージでも演奏している新鮮味にかけるように見えるが、実際の演奏はここでしか聴くことの出来ない楽器編成とアレンジで非常に面白い。

【BUDDY HOLLY WEEK, UK September 11, 1996】
この年のバディホリーウィークでは「Oh Boy」が演奏された。ここでは当日のパーティの演奏をオーディエンス録音で収録している。

【IN THE WORLD TONIGHT 1997】
これはアルバム『FLAMING PIE』とほぼ同時に公開された映像作品からの音源である。森の中で焚火をしながらポールがアコギのみでアルバム収録の2曲「Calico Skies」「Great Day」を歌っている。「Great Day」はウイングス時代に既に完成していたことが知られているが、20年以上の時を経てようやく発表された曲である。

【TOWN HALL MEETING May 17, 1997】
これはテレビ番組に出演した際に、会場を埋めた聴衆と一緒に歌うために即興で作ったような曲である。タイトルは「Bishopgate」で、この時以外に演奏された記録はない。サビの部分を会場にいる人たちに歌わせるようナビをしている。

【TFI FRIDAY, UK June 27, 1997】
アルバム・プロモーションのために出演したテレビ番組における演奏である。曲はシングルとなった「Young Boy」とアルバム・タイトル曲である「Flaming pie」の2曲。特に「Young Boy」はこれまでステージで演奏したことのない貴重なライブ・テイクである。「Flaming Pie」は発表から10年以上後に何度かのツアーで演奏されているが、発表時のライブ・テイクということで、こちらも貴重なものである。普通テレビ番組だとマイミングが多いのだが、きちんとライブで歌っている。

【LATE NIGHT WITH CONAN O’ BRIEN June 30, 1997】
ポールがアカペラでふざけてフランス語で歌っている「Michelle」である。

【MUSIC FOR MONTSERAT September 15, 1997】
カリブ海にあるモンセラット島が火山噴火で甚大な被害を受けた。そこで復興のためジョージ・マーティンが音頭をとりチャリティ・コンサートが、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで行なわれた。マーティンの主催とあって、リンダの死後あまり表舞台に出ていなかったポールの久しぶりのライブ・ステージである。圧巻はアビーロードのメドレーであろう。ツアーではウィックスのキーボードで代替していたが、ここではジョージ・マーティン指揮による本物のオーケストラがバックを務めているのである。そしてマーク・ノップラーが非常に艶やかなギターでメロディを追いかける。フィル・コリンズが迫力のドラムソロを叩きまくる。そしてギターソロはポール、ノップラー、エリック・クラプトンの三人でまわすという、神々の共演といった趣である。

【LIVE ARCHIVES VOL.2】
通常のタイトルには収録されない、されていない、単発ライヴを細かく年代順に網羅したライヴ・アーカイヴ・シリーズのVol.2は1990年から1997年までの演奏を収録している。トラック・リストを見て頂ければわかる通り、こんな細かいもの、今まで知られていなかった初登場のもの、よくもここまで集めたものだと思われるのではないか。通常のツアーでは演奏することのない曲から、唯一のライヴ・テイクまで、ポールのミュージシャンとしての活動においては欠かすことの出来ない貴重なものばかりである。本シリーズでは、それら全てを年代順に網羅していくことをコンセプトとしている。美しいピクチャー・ディスク仕様の永久保存がっちりプレス盤。日本語帯付。

DISC ONE
ROCKLINE RADIO SHOW October 26, 1990
01. Matchbox

COUNT DOWN, NETHERLANDS; BEAT UK, JAPAN & FANTASTICO, BRAZIL December 13, 1990
02. All My Trials
03. The Long and Winding Road
04. Let it Be

ROCK O POP, SPAIN December 13, 1990
05. Introduction
06. All My Trials
07. Let it Be

WOGAN, UK December 14, 1990
08. All My Trials

A CARLTON NEW YEAR, UK November 20, 1992
09. Introduction
10. Hope of Deliverance
11. Michelle
12. Biker Like an Icon

TOP OF THE POPS, UK January 7, 1993
13. Hope Of Deliverance

WETTEN DAS..?, GERMANY January 23, 1993
14. Hope Of Deliverance

SIMON BATES RADIO SHOW, UK February 1,1993
15. Biker Like an Icon

SATURDAY NIGHT LIVE, USA February 13, 1993
DRESS REHEARSAL
16. Get Out Of My Way
17. Biker Like an Icon
18. Hey Jude

LIVE BROADCAST
19. Get Out Of My Way
20. Biker Like an Icon
21. Hey Jude

TOP OF THE POPS, UK February 18, 1993
22. C’mon People

DISC TWO
BUDDY HOLLY WEEK, UK September 7, 1995
01. Rave On

RETURN OF THE FORGOTTEN, ROYAL ALBERT HALL, UK October 16, 1995 (unedited)
02. Ballad Of The Skeletons (Paul on Guitar with Allen Ginsberg)

ROYAL PERFORMANCE March 23, 1995
03. Introduction
04. One After 909
05. Mistress And Maid
06. For No One
07. Eleanor Rigby
08. Yesterday
09. Lady Madonna

BUDDY HOLLY WEEK, UK September 11, 1996
10. Oh! Boy

IN THE WORLD TONIGHT 1997
11. Calico Skies
12. Great Day

TOWN HALL MEETING May 17, 1997
13. Bishopgate

TFI FRIDAY, UK June 27, 1997
14. Young Boy
15. Flaming pie

LATE NIGHT WITH CONAN O’ BRIEN June 30, 1997
16. Michelle - The Conan Song

MUSIC FOR MONTSERAT September 15, 1997
17. Introduction by George Martin
18. Yesterday
19. Golden Slumbers - Carry That Weight - The End
20. Hey Jude
21. Kansas City