David Bowie-TWO DAYS OF HAMMERSMITH ODEON 1973 【3CD】 [DEN-065/066/067]

David Bowie-TWO DAYS OF HAMMERSMITH ODEON 1973 【3CD】 [DEN-065/066/067]

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商品詳細

■ジギースターダスト・ツアー最終のハマースミス連続公演を二日間収録
■1973年7月3日公演をサウンドボード音源で完全収録
■未編集、未加工、オーバーダブ一切なしの生々しい流出サウンドボード音源
■1973年7月3日の別ミックス音源をビンテージ・アナログから復刻
■1973年7月2日を初登場オーディエンス音源で収録

ボウイにとってジギースターダストとは何だったのであろうか。数あるボウイの仮の姿のひとつであったかもしれないし、特別な自分の分身であったかもしれない。ボウイ亡き今となってはその真意を知ることが出来ないが、それでもジギーはボウイの「当たり役」であったことは確かで、ファンにとってジギー時代というのは特別な響きを持っている。それはボウイにとっても同じで、その後のボウイのコンサートにおいても生涯ジギー時代の曲は特別な位置を占めて演奏されていた。

アルバム『ジギースターダスト』がリリースされたのは1972年6月の事である。ジギーの名前の由来はイギーポップをもじったものと言われている。異星からやってきたジギーが地球は後5年で終わると予言し、ロックスターとして成功、そして没落、最後は自殺という、コンセプトとしては難解なものながら、グラム・ロックの代表的なアルバムとして後世に伝えられている。そしてジギーの印象を強くしているのは何もアルバムだけではない。このアルバムに伴うツアーによってこそ、ボウイのジギー時代の視覚的印象は確立されているといえる。1972年から始まったジギースターダスト・ツアーは、当初はアルバム・ジャケットと同じ衣装に身を包み、特別なメイクもなしでステージに立っていた。現在、私たちがパッと想起するジギーとは全く印象が異なるいでたちであった。しかしツアーが進んでいくにつれ衣装は派手になり、メイクはきつくなり、ステージング・アクションもキワドイものになっていったのである。ジギースターダストは、いわばステージをこなすことにより進化していったといえる。

その過程において、衣装が妖艶かつ狂気的な雰囲気を醸し、メイクも時代を先取りし過ぎたような奇抜なものとなっていき、さらに「バイセクシャルである」というボウイの発言やステージにおける性行為を連想させる動きなど、音楽そのものよりも、存在自体が話題となるような形でジギーは神格化されていった。もちろんこれはボウイ自信が意図して話題性として演じていた側面もあろう、その狙いは見事に的中し、現在に至るジギーのイメージどころか、ボウイそのもののイメージとして後々まで引き継がれることになる。

アルバム『ジギースターダスト』に伴うツアーは1972年1月末から1973年7月までの足掛け二年に渡り、英国、アメリカ、日本、そしてまた英国と、実に182公演を数える。欧州の他の国ではコンサートを行なっておらず、英米以外では日本だけが組まれているのが不思議な気がする。ツアー初期のセットリストは完全に明らかになっていないが、「レディ・スターダスト」で始まる公演もあれば、「夜をぶっとばせ」で始まる公演もある。メドレーで様々な曲を演奏した公演もあれば、数回しか演奏しなかった曲もある。ビートルズの「THIS BOY」を演奏した公演もある。これだけの長丁場のツアーなので、徐々に公演は練られ、成熟し、進化し、より完璧に近いものとなっていくのは自然の流れであろう。そしてその集大成が、まさに全182公演の最終公演となったロンドンはハマースミス・オデオンでの連続公演なのである。

ジギーの最終公演の地として選ばれたのはロンドンの伝統的な会場、ハマースミス・オデオンであった。ここで2年に渡るツアーの集大成、そしてジギーの最後の雄姿を見せるべく、1973年7月2日と3日の二日間、コンサートが行なわれたのである。特に本当の最終公演となった7月3日のコンサートはライヴ・レコーディングされ、さらに映画にもなっているので有名であろう。一般的なジギーの視覚的イメージはこのハマースミス・オデオン最終公演を収録した映画によって決定づけられたはずである。

ディスク1と2は、このハマースミス・オデオン最終公演を、流出のサウンドボードで完全収録している。流出音源なので、オーバーダブや編集など一切施されておらず、生々しい当日のステージそのままが収録されているのが特長である。その違いは聴いてすぐわかるもので、『ジギースターダスト・モーション・ピクチャー』では感じられない、まさに素のままの音、後から楽器なり歓声なりをダビングするためであろう、ミックスがややヴォーカルが全面に出ており、ボウイがまさに目の前で歌っているのような近距離感がたまらないバランスなのだ。エコーも抑え気味で、ボウイの生の歌がそのままという感じで、これはオーディエンス録音における臨場感とはまた別物の、閉塞感とも言うべき密室でボウイと対面しているような錯覚に陥るほどの近い音なのである。そしてそれは歌だけでなく、ボウイの息遣いまでがはっきり聴き取れるところにこの音源の最大の特長があるのではないか。いずれにしても音質に関しては従来のサウンドボードの範疇では収まらない高音質なもので、ボウイ・ファンにとっては宝物のような音源であることは間違いない。

そして収録されている内容もまた素晴らしい。今まで聴くことの出来なかったパートが収録されているのはもちろんのこと、コンサート開演前のアナウンスから終演後の会場内の音楽まで、まさに完全収録しているのである。1973年当時の英国でのコンサートがどのように行なわれていたか、それを知る貴重な資料ともいえる。まず最初に司会者による挨拶から始まる。このジギースターダスト・ツアーがいかに成功を収めた素晴らしいものであるか、そしていかに大人数を動員したのかを大袈裟に語っている。そしてコンサートに先立ちマイク・ガーソンによる短い前座が始まる。マイク・ガーソンは「ボウイのピアノマン」と呼ばれるくらい数多く一緒に仕事をしており、レコーディングだけでなく、ツアー・メンバーとしても同行している。ここではボウイの曲をピアノでメドレーで演奏している。

そしてベートーベンの合唱に続いて激しい爆音と共に始まるのが「君の意思のままに」である。様々な試行錯誤の結果オープニング・ナンバーとして定着したこの曲は、スピード感あふるる、まさにオープニングに相応しいナンバーであると言える。そして続くのはアルバム・タイトル曲である「ジギースターダスト」。イントロのギターリフはストーンズの「サティスファクション」などと並んでロック史上最も有名なリフのひとつであろう。アルバム・コンセプトを代名する歌詞で、ジギーの人物像として「日本から来た猫のような奴」との表現があるのが興味深い。3曲目はアルバム『アラジンセイン』の一曲目「あの男を注意しろ」である。このツアーの途中において『アラジンセイン』がリリースされており、ジギーは既に過去のものとなっていた。既に時代はジギーではなくアラジンセインに移行していたのである。それでも同一のツアーとして、ボウイが依然としてジギーを演じる限界がここにある気がしてならない。ボウイは早く次のステップを踏みたかったに違いないと思うのだ。

4曲目は「フリークラウドから来たワイルドな瞳の少年」と「すべての若き野郎ども」「ユー・プリティ・シングス」のメドレーになっている。このツアーでは様々なメドレーが試行されていたことが音源で確認できるが、最終日に選ばれたのがこの3曲のメドレーである。そしてコンサート前半最後の曲がアコースティックによる「My Death」である。熱くなった聴衆を覚ますかのように、騒ぐ客席に向かって“静かな曲だから静かに聴いて欲しい。シーッ!”と語りかけている。それでも騒ぐ聴衆に対し再び「静かにしくれ」と念を押している。コンサートはここで休憩タイムに入る。

ウイリアムテル序曲が会場に流れ、後半が始まる。後半一曲目はアルバム「アラジンセイン」から「気のふれた男優」である。コンサート全体に言えることだが、ミック・ロンソンに演奏の主導権を委ね、その結果としてハードなギターサウンドが全面に出たアレンジとなっている。この「気のふれた男優」もスタジオ・バージョンよりも歪ませたギター音がかなりハードなものとなっている。さらにギターと平行して演奏されるボウイのハーモニカがジャズ風で非常に素晴らしいものとなっている。また、「時間」での印象的なピアノはボウイ自身の手によるものである。

後半のハイライトのひとつが「円軌道の幅」であろう。スタジオ・バージョンも8分以上ある長い曲だったが、このライヴ・バージョンでは実に15分以上と、約2倍の長さにまで演奏が膨れ上がっている。この当時クリームやツェッペリンなどインプロヴィゼーションを加えて長い演奏をする流行があり、その見せ場としてのボウイの楽曲がこの「円軌道の幅」に相当する。ミック・ロンソンが「どうだ!」と言わんばかりに長いギターソロを弾いているが、多用なメロディを滑らかな運指で奏でており、長さに反して退屈とは無縁である。また一部の既発盤では12分半あたりで元テープの痛みが激しく音切れっぽい部分があったが、本作にそのような痛みはなく、よりロウジェネ・ソースであることが伺える。

この最終日にはツアーを通じて唯一、特別ゲストがステージに参加している。それが「ジーンジニー」と「ラウンド・アンド・ラウンド」の2曲におけるジェフベックの登場である。どのような経緯でジェフベックが出演することになったかは定かではないが、既に名のあったジェフベックが飛び入りするということは、それだけボウイが新進気鋭のアーティストであったという証明であろう。「ジーンジニー」にはビートルズの「ラヴ・ミー・ドゥ」が挿入されるアレンジとなっている。

そして、ハマースミス・オデオン最終日が有名なのは、最後「ロックンロールの自殺者」を演奏する前に語ったボウイの言葉によってであろう。「Not only is it the last show of the tour, but it's the last show that we'll ever do.Thank you.」「このショウはツアーの最終であるだけでなく、私たちにとって最後のショウである」ボウイの引退宣言とも言うべき話題を呼んだコメントで、客席からは悲鳴にも似た声が上がっている。後の歴史が示す通り、これはボウイの引退ではなくジギーの引退宣言であったわけだが、このショウを特別なものにするためだけではなく、ボウイとしては大きく神格化されたジギーを葬りたい、アーティストとして次のステージに進みたいという深層心理の現れではないだろうか。このように過去を葬るかのようなコメントはボウイの得意とするところで、後に1990年のサウンド&ビジョン・ツアーにおいても似たようなコメントを発している。ボウイとしては過去との決別は、それが実現可能かどうかは別として、次に進むために必要な決意表明みたいなものなのだろう。

そして始まった最後の曲はアルバムと同じく「ロックンロールの自殺者」である。静かに語りかけるように始まり、徐々に盛り上がっていく中盤、そして後半はそれが絶叫に変わる。まるで「天国への階段」に影響を受けたような構成である。ここでボウイ一世一代の名演が生まれる。君はひとりじゃない!こっちを向いてくれ!君は素晴らしい!手を差し出してくれ!真摯に叫ぶボウイの熱演に胸打たれる中で、徐々に絶叫が嘆きに変わり、最後は呟きに代わる。そして「ワンダフル」というコーラスだけが無味乾燥に永遠に続くかのようなエンディング。「バイバイ、みんな愛してる」という言葉を残しボウイはステージを去るのであった。

ディスク2の後半には、ボーナストラックとして同じ1973年7月3日ハマースミス公演の別ミックスが収録されている。これはアナログ・ブートの名盤『HIS MASTER’S VOICE』の復刻である。欠点としてはもちろん完全収録ではないのと、音飛びが散見される点にある。それでも音質が良いことで名盤として確固たる地位を築いており、現在でも人気の高い盤である。本編の流出音源と比べると音がよりふくよかで、これはいくばくかのオーバーダブの影響だと思われる。本編がノータッチのロウ音源だとしたら、これはどの段階のものかは不明だが、リリースに向けて何らかの処理が施されたものであろう。ぜひ本編と聴き比べてみて違いを感じていただきたいと思う。

ディスク3は、ハマースミス・オデオン連続公演の初日、1973年7月2日の公演を収録している。初登場オーディエンス音源で、この連続公演を本編と合わせて楽しんでいただきたい。演奏自体は非常に充実したもので、最終日同様に素晴らしいものである。ディスク1枚であることからわかる通り、残念ながら完全収録ではないが、収録が決まっていた最終日に向けてのリハーサル的な意味合いがあったのであろう、かなり真剣な演奏であることが音からだけでも伝わってくる。「ラウンド・アンド・ラウンド」はジェフベックが飛び入りしていないバージョンで、ギターはミック・ロンソンのみである。これもまた最終日のジェフベック・バージョンと比べてみるのも一興であろう。

ボウイ専門レーベルHeldenの最新作は、歴史に残る渾身の一品。ディスク1と2に1973年7月3日ハマースミス・オデオン公演を、ボウイの息遣いまでが聞こえてくる生々しい流出サウンドボード音源で完全収録。オーバーダブなど一切の加工がなされていない生の音である。そしてディスク2の後半はボーナストラックとして同日の別ミックス音源を名盤アナログから収録。いくばくかの処理が施されたもので、逆に本編と聴き比べてどのような処理が後付けでなされているかの研究材料となり得るであろう。そしてディスク3は1973年7月2日のハマースミス・オデオン公演を初登場オーディエンス音源で収録している。これもまた最終日と聴き比べていただきたい。上記のようにジギースターダスト・ツアーの最終の地であるハマースミス・オデオン連続公演を二日間とも収録している決定的なタイトルである。美しいピクチャー・ディスク仕様の永久保存がっちりプレス盤。日本語帯付。


HAMMERSMITH ODEON LONDON U.K. July 3, 1973
DISC ONE
01. Introduction by BARRY BETHAL

MIKE GARSON as opening act
02. Space Oddity - Ziggy Stardust - John, I’m Only Dancing - Life On Mars?

DAVID BOWIE as main act
03. A Clock Orange Theme - Symphony No.9 “Ode To Joy”
04. Hang On To Yourself
05. Ziggy Stardust
06. Watch That Man
07. Wild Eyed Boy From Freecloud - All The Young Dudes - Oh! You Pretty Things
08. Moonage Daydream
09. Changes
10. Space Oddity
11. My Death
12. William Tell Overture
13. Cracked Actor
14. Time
15. Width Of A Circle
16. Band Introduction

DISC TWO
01. Let's Spend The Night Together
02. Suffragette City
03. White Light White Heat
04. The Jean Genie - Love Me Do with JEFF BECK
05. Round And Round with JEFF BECK
06. Farewell Messege
07. Rock ‘N Roll Suicide
08. Outroduction - Pomp And Circumstance

ALTERNATE SOURCE
from the vinayl “HIS MASTER’S VOICE” The Amazing Kornyfone Record
09. Introduction
10. Hang On To Yourself
11. The Wild Eyed Boy From Freecloud - All The Young Dudes - Oh! You Pretty Things
12. Moonage Daydream
13. Changes
14. Space Oddity
15. Time
16. Suffragette City
17. The Jean Genie - Love Me Do with JEFF BECK
18. Rock 'N Roll Suicide

HAMMERSMITH ODEON LONDON U.K. July 2, 1973
DISC THREE
01. Ode To Joy
02. Hang On To Yourself
03. Ziggy Stardust
04. Watch That Man
05. Wild Eyed Boy From Freecloud - All The Young Dudes - Oh! You Pretty Things
06. Moonage Daydream
07. Changes
08. Space Oddity
09. My Death
10. Width Of A Circle
11. Band Introduction
12. Let’s Spend The Night Together
13. Suffragette City
14. White Light White Heat
15. Round And Round