Paul McCartney-PRESS TO PLAY SESSIONS 【3CD+DVD】 [mccd-382-385]

Paul McCartney-PRESS TO PLAY SESSIONS 【3CD+DVD】 [mccd-382-385]

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商品詳細


ポールにとって80年代はどういうディケイドだったのであろうか。ポールの80年代は日本での逮捕から始まった。その結果ウイングスは自然消滅し、年末にはジョンレノンが凶弾に倒れる。暗澹とした雰囲気で始まったのがビートルズ・ファンの80年代であった。そしてポール自身にとっても方向性を模索する時代であったと言えよう。

ポールの80年代、最初のヒット曲は「Coming Up」で全米ナンバー1となる。この曲が収録されているアルバム『マッカートニーII』は元々ウイングスのニューアルバム用にと録音しておいた個人的なデモ音源をソロ・アルバムに流用したことが判明している。後世の評価はけして高いものではないが、方向性を模索するため様々なパートナーとコラボした80年代の幕開けが個人録音というのも面白いではないか。

そして1982年、今でもポールの代表作として名作の誉れ高い『タッグ・オブ・ウォー』が発表になる。プロデューサーに気心知れたジョージ・マーティンを迎え、まるでビートルズのサウンドを再現しているかのような雰囲気を感じさせる作品であった。スティーヴィー・ワンダーやカール・パーキンスなどゲストとのデュエット曲を入れ、ポールにとって久しぶりの快心の作となったのである。しかし、この『タッグ・オブ・ウォー』以降のポールは、正直言ってパッとしない時期が続いた。

まず次のアルバム『パイプス・オブ・ピース』は個人的には『タッグ・オブ・ウォー』と両雄並び立つ名盤だと思うのだが、世間的な評価は後者ほどではなく、辛辣なレビューでは「前作の残り物」と揶揄されたほどである。『スリラー』が大ヒットして最も輝いていた時代のマイケル・ジャクソンとのデュエット曲も含まれ話題性はあったが、セールス的にも『タッグ・オブ・ウォー』に及ばなかった。

1984年、ポールは自身が主演の映画の制作に乗り出す。それが『ヤァ!ブロード・ストリート』である。ファンとしてはもちろん見どころ満載、何よりこの時代のポールが映像で残されているという点が素晴らしい。しかもそれぞれがプロモ・クリップとして成立するくらい完成度の高い演奏シーンの数々。ビートルズ時代やウイングス時代の曲を再演したのも話題となった。しかしそれは音楽的側面であって、純粋に映画作品としての観点からは、とても評価できる内容ではなかった。「ハイスクール奇面組」と同じ伝説のエンディング、最後が夢オチかい!と突っ込みを入れた人も多かったことだろう。しかし繰り返すが、映画の挿入歌は素晴らしく、さすがポールというべきもの。私自身、「ノー・ヴァリュース」のシーンを何度繰り返し観たかしれない。

1985年にアメリカ映画『スパイス・ライク・アス』が公開された。映画としては他愛ないコメディであったが、主題歌をポールが書き下ろしていることで話題となった。しかも驚かされたのはB面に「マイ・カーニバル」がカップリングされていたことだろう。ウイング時代の未発表曲が突如収録されたのである。この後『COLD CUTS』に収録予定の曲が「切り売り」されていくのだが、「マイ・カーニバル」はその嚆矢と言える。

以上が80年代半ばまでのポールの活動の歩みである。この間、ステージに立つことは一切なかった。唯一例外が1985年のライヴ・エイドである。この時もバンドを持っていないからと一旦は断ったのだが、ボブ・ゲルドフが「だったらピアノだけで『LET IT BE』を歌えばいいじゃないか」というアドバイスに従って出演を決めたと言われる。しかしご存知の通りPAトラブルにより前半ヴォーカルがオフになるというトラブルに見舞われ、演奏自体も長らくステージから遠ざかっていたブランクを感じさせるものであった。ジョンが凶弾に倒れるという悲劇的な死を遂げたことから、ポール自身も客席からの銃弾に怯えていたとも伝えられる。この時期、今のようにポールが毎年のようにツアーに出るなど想像だに出来なかった、反隠居状態、あるいはビートルズ後期のようにスタジオに専念する時期だとファンには捉えられていた。

そしていよいよ本題である。1986年にポールがニュー・アルバムを発表するというニュースが流れた。今回パートナーとしてポールが選んだのが10CCのエリック・スチュワートであった。さらにプロデューサーは前三作がジョージ・マーティンだったのに対し、ヒューパジャムだという。ヒュー・パジャムはポリスやフィルコリンズのアルバムを過去に手掛けた有名プロデューサーであり、ボウイの『Tonight』も彼の仕事である。傾向としてはゲーテッド・リバーブを効かせた派手な音作りにあり、その実『Press To Play』は様々なミキシング・テクニックが駆使された作品となっている。またエリック・スチュワートはスティーヴィー・ワンダーやマイケル・ジャクソンと比較すると知名度では劣るパートナーであることは否めないが、ヒュー・パジャムと共に新しいポールの側面を引き出した功労者と言えるだろう。おそらく『パイプス・オブ・ピース』での彼の仕事が評価され、パートナーに「格上げ」になったのではないだろうか。

最初にこのアルバムを聴いた印象としては従来のポールらしくない現代的なロックというものであった。おそらくポール・ファンとしては受け入れるのに時間がかかったのではないだろうか。このアルバムから今までライヴで演奏された曲は皆無であり、ポール・ファンの間でも評価が分かれるアルバムである。しかし松村雄策氏が「名盤」と称しているように、マニアであるほど評価が高く、セールス的には苦戦したが、80年代中期に発表された唯一のオリジナル・アルバムということで再評価されても良いのではと思っている。

このアルバムからは第一弾シングルとして「プレス」が先行リリースされた。ロンドンの地下鉄で撮影されたプロモ・フィルムは、ミュージック・ビデオの黎明期に制作されたもので、豊かなグレイ・ヘアで少しぽっちゃりしたポールが、地下鉄で乗客と触れ合う興味深いものであった。またこの時代の特長として、12インチ・シングルという形態で様々なバージョン近い、リミックス・バージョンが数多く、それこそ把握困難なくらい乱発されていたことも挙げておこう。さらに1986年はCDとLPの割合がまだ均衡していた時代であり、レコード会社の意向として早くCDに移行したかったのであろう、CDに優位性を持たせる為にLPより3曲多い収録となっていた。この次のアルバムとなると、ベスト・アルバム『All The Best』を挟み1989年の『フラワーズ・イン・ザ・ダート』まで待たねばならない。『ヤァ!ブロード・ストリート』が新曲が含まれていたとはいえ、基本が過去の曲の再演にあったことを考慮すると、1980年代中期の唯一のオリジナル・アルバム、それが『プレス・トゥ・プレイ』であった。本作は、1985年「スパイス・ライク・アス」からアルバム『プレス・トゥ・プレイ』の収録曲順に沿って、アウトテイク、別バージョン、別ミックス、その他セッション音源を集大成したものである。

ディスク1と2はアルバム収録曲に加え、当時CDのみに収録されていた3曲のボーナストラックの別バージョンを収録している。「Good Times Coming」は間奏をポールがスキャットで口ずさんでいたり、また「Talk More Talk」はリリース・バージョンではカットされた未発表のミドル・パートが残っているなど、それぞれ全く異なる印象の曲となっている。

ディスク2の最後には、「ストラングル・ホールド」のプロモ映像を撮影する際にレコーディングされたアウトテイクが収録されている。撮影はアリゾナ州で行なわれ、ポールのライヴ・ステージに少年が飛び入りするという物語となっている。ライヴ・ステージが舞台なだけに、おそらくそのステージで演奏されたのであろう。特に目を引くセットリストとしては『ウイングス・ワイルド・ライフ』にも収録されていた「Love Is Strange」であろう。いかにも撮影の合間のセッションというラフな演奏で歌は入らない。

そしてディスク3はサックス・ソロが異なる「ストラングル・ホールド」のプロモ・バージョン、アルバムから漏れた唯一の未発表曲である「Yvonne’s The One」などを収録している。この曲は軽い雰囲気のバラード曲で、ポールが甲高い裏声を駆使している「So Bad」にも似た曲である。美しい曲なのでこのままボーナス・トラックとして収録しても良かったのではないか、それくらいポールらしさが満喫できる名曲である。またディスク3のメインとなるのは1985年のシングル「スパイス・ライク・アス」のセッション音源であろう。特にリズム・マシーンに合わせて軽くシングル・トラックで歌うデモ音源はシンプルで曲の良さが感じられる。最後に収録されているのは、アルバム・リリース当時に放送されたアルバム紹介のためのラジオ・プログラムである。収録曲についてポールが解説している。英語なのが残念だがアルバムの制作過程を詳細に語っており非常に興味深い内容となっている。

最後にディスク4がこの時期の映像を収録したDVDになる。まずアルバムをプロモーションするために収録されたEPKである。まだ43歳と若いポールがインタビュアーに答えアルバムについて語っている。レコーディング風景の映像なども収録されており、ポール、リンダ、そしてエリック・スチュワートと3人がスタジオでひとつのマイクで歌うシーンなど感慨深いものがある。インタビューはレコーディングの事のみならずプロモ映像の撮影のことにも及び、まさにこのアルバムを語り尽くすというファンにはたまらない内容となっている。個人的に興味深かったのはアルバムジャケットの撮影風景の映像である。『プレス・トゥ・プレイ』のアルバム・ジャケットはポールとリンダがまるで古い戦前の映画のスチールみたいなセピア色の写真が印象的であったが、これはまさにビンテージ・カメラを用いて撮影されたものである。なんとその撮影風景の映像が収録されているのである。しかもカラーで!あのセピア色のジャケット写真がカラーで動いている何とも不思議な映像である。

また『プレス・トゥ・プレイ』リリース時とほぼ時を同じくして『マッカートニー・スペシャル』というビデオがリリースされている。ポールが懐かしいアビーロード・スタジオで自分のキャリアを語るというドキュメンタリーなのだが、このビデオが特別なのは、様々なレアなライヴ映像がふんだんに使用されている点にある。1986年プリンストラストにおける「I Saw Her Standing There」、「Press」のレコーディング風景、バックヤード・テープとして知られる1975年スタジオ裏庭での「Peggy Sue」など、まだ映像ソフトが少ない時代、これらの映像に驚かされたものだ。この中でも特にレアなのは1973年のライヴ・ステージの映像であろう。「Hi Hi Hi」を演奏する初期ウイングスのステージが美しいカラー映像で収録されている点であろう。このようなものは全編をソフト化すべきだと思うのだが、残念ながらいまだ実現していない。本作に収録の『マッカートニー・スペシャル』は、この映像作品のタイムコードが入った初登場ラフ・カット・バージョンである。

続いてこの時期に出演した単発のライヴ映像を収録している。1985年のライヴ・エイドにポールひとりで単独で出演したように、この時期ツアーとは無縁であったためバンドを持っておらず、ピアノだけで演奏できる曲を選んでいる。1986年11月24日ロイヤル・バラエティ・パフォーマンス、そして1986年12月4日の「レディ・マドンナ」はユニセフのためのメッセージと共に演奏したもの。1986年12月11日にはTHE TUBEというテレビ番組に出演し「Only Love Remains」と「Whole Lotta Shakin’」を、やはりピアノのみで演奏している。先述の通りこの時期ステージはおろか単発のライヴも行なっておらず、本作に収録されているものが、数少ないライヴ演奏の全てである。

そしてDVDの最後は「マッカートニー・スペシャル」の初登場アウトテイク映像である。ガチンコから始まり、何テイクもポールのインタビュー風景が撮影されているのがわかる。通して撮影されて、その後編集されたものではなく、何度かにわけて事前に質問事項を与えられ、用意していた回答に沿って答えているという舞台裏が透けて見える。このようなアウトテイク映像はポールには珍しく、他に類を見ないものである。

Mクローデルの最新作は、1980年代中期の名盤『プレス・トゥ・プレイ』のアウトテイク、別ミックスなどスタジオ・セッションの集大成に加え、同時期の流出映像、さらにテレビ出演におけるライヴ演奏の映像を収録した映像作品のセットとなっている。ジャケット写真はアウトフォトで、オリジナルの目を閉じて下を向いているものより、こちらの方がステキな写真に思える。また細かい点になるが、帯の背に使用されている写真もこの時のアウトフォトで、今まで見たことがない貴重なものである。美しいピクチャー・ディスク仕様の永久保存がっちりプレス盤。日本語帯付。

DISC ONE
STRANGLEHOLD
01. Rough Mix 1
02. Rough Mix 2
03. Rough Mix 3
04. Rough Mix 4

GOOD TIMES COMING
05. Rough Mix Complete Version

TALK MORE TALK
06. Rough Mix
07. Rough Mix with Alternate Edit
08. Remix 12”

FOOTPRINTS
09. Alternate take, Rough Mix

ONLY LOVE REMAINS
10. Single Remix
11. Royal Variety Show, London, UK Nov 24, 1986
12. The Tube, UK TV Dec 11, 1986

PRESS
13. Alternate Take, Rough Mix
14. Hugh Padgham Single Mix
15. Hugh Padgham Extended Mix
16. Bevans - Forward Video Edit
17. Bevans - Forward Promo Edit
18. Bevans - Forward Extended Dub Mix

DISC TWO
PRETTY LITTLE HEAD
01. Rough Mix
02. Alternate Extended Mix
03. Remix 7”
04. Remix 12”

MOVE OVER BUSKER
05. Alternate Take, Rough Mix

ANGRY
06. Session Jam
07. Remix 12”

HOWEVER ABSURD
08. Rough Mix

WRITE AWAY
09. Rough Mix

IT'S NOT TRUE
10. Alternate Take, Rough Mix
11. Single Mix

TOUGH ON A TIGHTROPE
12. Alternate Take, Rough Mix
13. Extended 12” Version

STRANGLEHOLD VIDEO SHOOT
14. Band Introduction
15. Fortune Teller
16. Love Is Strange
17. Tequila
18. Cactus Club (improvisation)
19. Stranglehold

DISC THREE
STRANGLEHOLD
01. Video Soundtrack with Alternate Sax Solo

ALBUM OUTTAKE
02. Yvonne’s The One

McCARTNEY SPECIAL
03. Video Shoot with Live Vocal #1
04. Video Shoot with Live Vocal #2

SPIES LIKE US
05. Demo
06. Alternate Take, Rough Mix 1
07. Alternate Take, Rough Mix 2
08. Instrumental Rough Mix
09. DJ Version
10. Party Mix
11. Alternate Party Mix Rough Version
12. Alternate Mix (Known To His Friends As Tom)
13. Art Of Noise Remix (unreleased)

LOVELIEST THING
14. Different Mix

RADIO SHOW
15. Press To Play Album Party

DVD DISC
PRESS TO PLAY EPK
01. Interview
02. Recording Footage
03. About PV “PRESS”
04. Album Photo Session
05. Photos During Sessions

McCARTNEY SPECIAL with TCR
06. Opening - Prince Trust 1986
07. Press Recording
08. Peggy Sue
09. Maybe I’m Amazed
10. Helen Wheels
11. Hi Hi Hi
12. Take It Away
13. Tug Of War

ROYAL VARIETY COMMAND Nov. 24, 1986
14. Only Love Remains

UNICEF GALA, Dec 4, 1986
15. Lady Madonna

THE TUBE Dec 11, 1986
16. Only Love Remains
17. Whole Lotta Shakin’

McCARTNEY SPECIAL RAW FOOTAGES
18. Take 1-1
19. Take 2-1
20. Take 3-1
21. Take 4-1
22. Take 9-1
23. In The Recording Studio
24. Press